元に対する通貨切り下げ包囲網は愚策である
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中国 vs 各国の通貨にまつわる駆け引き
消費者は安くて良いものを望む。そのニーズに応えるべく、企業は資本の安い中国に進出し、生産拠点を構える。
自由な経済活動の結果、各国の生産拠点が中国に押し寄せた。中国は世界の工場と化し、今や、あらゆるものが中国で製造され、世界中の人が至るところで中国製品を利用する。
これが現実である。この現実は中国共産党が描いたものかどうかは不明であるが、今や、中国は世界の外貨を一手に握り、外貨準備高世界一、GDPは毎年10%近い上昇といった状況にある。まるで、地球上の好景気を一国だけで楽しむかのように、中国は一人勝ちを手中にし始めている。
そして、その勝ちを磐石にする施策もぬかりない。国家的に行なっている自国通貨管理政策である。国内では1%の富める者はそのままに、99%の貧しい者もそのままに。この政策が貧富の差を確保している。また、内外政策上では、世界の需要に応えるために、自国通貨の価値を下げ、生産を集中させる。
中国は本当に賢く、したたかである。
共産主義でありながら、イデオロギーを柔軟に変化させ、一党独裁の国家が市場経済を導入したのが1992年。鄧小平は民主主義の失笑を買い、体制上の恥を一手に引き受けつつも、今の時代に国家に花を持たせた偉大な政治家である。「首相の席に着いた政治家の評価は歴史が決める。
」とは、菅首相が参院選大敗後に続投する際に用いた句であるが、今をして鄧小平の偉大さには、日本人でありながら、感服せざるを得ない。
ただ、残念なのは、鄧小平も組織の人間である。組織のために足跡をなした人物であり、政治家の域を出ない。真のリーダーは人民の中から生まれ、人民のために人民を率いる者である。
さて、この中国の一人っ子政策に続く一人勝ち政策に対して、世界はどう立ち向かうのか。世界の工場と標榜し、他の国の産業を自国に吸収し、他の国の産業バランスに著しい影響を与える政策を打ち出す。これは経済的な軍事行動であり、各国がどのように対処するかが今後の見所となる。
本日の衆議院予算委員会で菅直人首相の発言は次のとおり。
[東京 13日 ロイター] 菅直人首相は13日午前の衆院予算委員会で、為替介入などによる自国通貨安誘導について「G20で為替の過度の変動は好ましくないとの合意を得ている。自分の国だけ低いところに(為替水準を)人為的に誘導するのはG20全体の協調からは外れている」と指摘。中国や韓国など為替介入を繰り返してる国に対して「韓国、中国にも共通ルールの中で責任ある行動をとってほしい。日本も為替介入をしており、言い方は難しいが、(日本の)姿勢を示していく必要がある」と語った。西村康稔委員(自民)の質問に答えた。
中国共産党という組織が自組織の利益のために行っている政策に対して、各国はどう立ち向かえばいいのか。中国を相手に各国が先行でカーリングを行なっているようなもので、いかなる手も後攻の中国には苦にならない。
正しい答えは、中国製品不買を実行することである。ただし、表向きの言葉は間違っても「中国を買わない」と言ってはならない。「日本を買う」と言うのである。政権与党が掲げられる内容ではないため、右傾の在野リーダーが先頭に立ち、国民一人ひとりが我が国を支える活動として広めるのである。小規模政党の中にはもっと明確に右傾化した政党が現れてもよいと思う。
そして、間違った答えは、元高の環境を作り上げてしまうことである。
元高政策、言い換えると、自国通貨安政策は輸入面から絶対的に歓迎できない。先ほど、経済的な軍事行動という言葉を使ったが、仮に、政策が戦略であれば、日本のような省資源の国では補給線が大切である。自国通貨安が引き起こると、既に高騰している資源が更に高騰する。
そればかりでなく、中国のマネーにより資源暴騰を仕掛けられてしまう。中国のマネーで資本主義の資本を買い占められてしまう。
全て後攻の強みである。日本が国家として立ち行かなくなる恐れが極めて強く、国としての回復手段がない。
いや、むしろ私なら、「過度の自国通貨管理はダメよ」などと、日本の先の為替介入が念頭にあるために、つい、重みのない答弁を口走ってしまうのではなく、純日本品の購買者に補助が出る仕組みをしたたかに構築する。名前も内容もキャッチーなエコポイントよりも、「Save Japan ポイント」などと冠した中国製品不買の仕組みをしたたかに展開する。
市場経済のメカニズムが全ての人に幸せをもたらしていない以上、また、開放経済と称しながら国家による統制経済を敷き、市場経済に反旗を翻している国がある以上、さらに、政治や政府に冷めていながらも経済の活性化を政府に期待し続ける国民が住まう国家である以上、自国経済を統制するのが政府の役目である。
さて、日本が打ち出すこの中国不買策、これを各国がお手本にするかどうか。政治家の評価は歴史が決めるのである。
初回は経済政策に近いテーマとなったが、これから、日中韓三国にちなんだ話をお届けしたい。
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