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前回はおおまかな(全然説明できてないけど・笑)山西省方言について簡単に書いたが、
今回は私が本を読んでいて面白いと思った表現をとりあげてみようと思う。
山西方言では北から南までかなり幅広く使われている表現の仕方。動詞の後に”動”と”儿”を持ってくることで、
『〜する時』ということを表す。何ともユニークというか面白いというか、全く方言はすごい。
具体的にどういう使い方をされているか例を挙げよう。
大同の場合
来動儿-来的時候(来る時)
走動儿-走的時候(行く時)
説動儿-説的時候(言う時)
吃動儿-吃的時候(食べる時)
討論動儿-討論的時候(討論する時)
写動儿-写的時候(書く時)
唱動儿-唱的時候(歌う時)
座動儿-座的時候(座る時)
学習動儿-学習的時候(座る時)
ざっと挙げるとこんな感じになる。私的には”動儿”という言葉で”・・・的時候”と表すのがかなり興味深い。
大同の人は普段の会話の時は上記のように”儿化”して”・・・的時候”を表現するのだと考えると、何だか
はてしない面白みを感じざるを得ない(^-^;;
また上記の例に目的語が加わる場合はどうなるかを説明しよう。
来動儿大同-来大同的時候
写動儿字-写次的時候
走動儿路-走路的時候
吃動儿飯-吃飯的時候
唱動儿歌-唱歌的時候
座動儿汽車-座汽車的時候
買動儿東西-買東西的時候
討論動儿問題-討論問題的時候
目的語をどこにはさむのかということに関しては上記の表のパターンを見てもらいたい。動詞の後に”動儿”、そして目的語。
或いは動詞の後に目的語を持ってきてそして”動儿”。この二つの使い分けは定かではないが恐らく地方によって使い方が
違うのかもしれない。それでは次に大同以外の地域の”・・・的時候”をどう表現するのか見てみよう。
平魯(北区)
下動太原了-去太原的時候
上動呼市了-去呼市的時候
この平魯の方言の場合、”去”(行く)という言い方をせず”下”や”上”を使っているのが面白い。恐らくは平魯より南に
ある都市には”下”を使い、平魯よりも北に行く時は”上”を使うのであろう。日本でも電車で上り下りという表現があるので
その類の言い回しか。更に”動儿”という言い方ではなくここでは”動+目的語+了”となっているのも注目に値する。
万栄(南区)
イ尓走動(0里)li,慢些儿着。
イ尓来動(0里),ba他一快儿呟(yao1)喝上。
万栄ではなんと”・・・的時候”という表現をする時、”動(0里)”と言う言葉を使うらしい。普通話で”(0里)li”は”(0尼)”と
同じ意味だったり、だらだら・しとしと・ぽつぽつ・ちらほら等の意味であるが、万栄方言では全く意味合いが違う。
忻州(北区)
兀wu4人目(土乞)ge1對對的,看東西動了,可難活(0里)。※兀=”那”の意味
他罵イ尓動儿,イ尓到俺行(土乞)躱上会儿。
忻州方言では、”V+目的語+動儿”の形で、『〜する時』を表現する。他の北区地域である大同や平魯等の方言と
共通点が見受けられる。ただ普通話で”那”や”那個”が”兀”と表現している点や、”我”を”俺”と使う点は面白い。
楡次(中区)
イ尓出得動了,留下(金月)shi。
イ尓去太原動了,給我shao1些東西。
楡次方言では、V+動儿、V+目的語+動儿の両方の形があるようだ。
沁県(南区)
イ尓走動儿,別忘了帯傘。
イ尓吃動儿,慢慢(0革力)吃,不要急。
南区ではあるがV+動儿の形である。
洪洞(南区)
イ尓走動了了,別忘了帯傘。(動了、動了了了、動了了了了)
イ尓説動了了,慢点wa。(動了、動了了了、動了了了了)
すごい方言が出てきた(^-^;;V+動了、V+動了了、V+動了了了、V+動了了了了という”V+了”の末尾を重ねて使う表現だ。
一帯何だこれは!?(笑)
屯留(南区)
看動電影了了,不要説話。
在油路上走動了了(了了了/了了了了),要招呼汽車。※油路=公路(公道) 招呼=小心(気をつける)
これまた”了了”方言。ここまで行くと言うのも聞くのもかなり楽しそうである( ̄▽ ̄;;
また普通話で”如果〜的話”(もし〜だったら)という言葉を”動了”で表現することが出来る。
例:要座動汽車了(了了/了了了/了了了了),就要去汽車站。(=如果要乗汽車的話,〜。)
こう見るとほんとに方言ってやっかいだなとつくづく思う。何なんだよこの”了了了了”って(笑)
ついでに陜西省北の延川方言には”・・・的時候”を表現するのに”家”と言う言葉を用いる。
例:他小家没念過書。(=他小的時候〜)
イ尓来家ba3他叫上。(=イ尓来的時候〜)
もう外国語だという感すらしてきた(^^;;家かよ!!って感じだ。とにかく今回山西省方言を軽く紹介してみたけど、
本で調べていくうちに分けのわからない表現が続出して笑いっぱなしだった。中国には標準語が存在するけど、
皆が皆標準語できるわけじゃないし、できたとしても普段は自分達の方言を喋っているのだということが少しでも
これを通じて分かって頂けると幸いです。次は上海語か広東語か台湾語かのどれかをとりあげます(漠然すぎ!?)
参考文献:晋方言研究 商務印書館 喬全生著,漢語方言概要 文字改革出版社 袁家(馬華)
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