尖閣ビデオ流出問題と海上保安庁神戸海上保安部の海上保安官から導き出されること

三国ヒステリア:日本から見た日中韓:東アジア三カ国

東アジア三大経済大国の関係に迫る

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尖閣事件のビデオを流出させた保安官から見えるもの

投稿日 : 2010年11月12日 金曜日 10時11分 | 0 コメント
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尖閣ビデオ問題とは、2010年9月に発生した尖閣諸島付近での中国船と海上保安庁巡視船の衝突事件を記録したビデオ映像、この映像を神戸海上保安部の海上保安官(43)がインターネットカフェに持ち込み、youtubeを介してインターネット上に流出させた問題である。今日現在、この件は、まだ問題とされているが、この保安官が逮捕に至った場合は、尖閣ビデオ流出事件として扱われるものである。

さて、この海上保安官の行為、日本の国内世論が是とするか否とするか。読者はどちらの考えをお持ちだろうか。

私が考えたところでは、この問題、捉え方次第で賛にも否にも転じるとの所感である。次のように考えた。

  1. 中国船の船長の行為からこの保安官の行為までを一つの事象として捉えるケース
  2. 保安官の行為そのものだけを捉えるケース

1を論理の中心にすれば、この保安官の行為を全面的に否定することは難しいと思われる。そして、2を中心にすればこの保安官の行為は言語道断ということになる。

この捉え方の違いから発生する賛否両論、これにはっきりとした着地点が見つからないために、国民の関心が高まるわけであるが、私はこの捉え方とは別に人としてどうあるべきなのかから考えてみた。そしてその説明に欠かせないのが、昨年、時の人となったあの航空幕僚長である。

その幕僚長とは、田母神俊雄(たもがみとしお)氏である。政府見解と異なる内容の論文を発表したとして航空幕僚長のポストを事実上更迭された方である。

田母神氏の場合、元幕僚長の田母神氏の事実上の更迭は2009年に発生した出来事であるが、国家公務員が自らの主張を展開させたモデルケースである。そして、幕僚長も海上保安官も組織は違えど同じ国家公務員である。なぜ、この海上保安官は、そのような前例をたどることなく、国家公務員法違反などの刑事罰につながりかねない行動に走ったのか。これだけを見ても、この海上保安官の行為は短絡的との感が否めない。

仮に、田母神氏のケースがなかったとしよう。人としてどう動くべきだったのか。私は今回の映像流出について、この海上保安官(43)に問いたいことがある。

あなたは、人として、大人として、自らが行なった行為から発生する様々な影響について、責任がとれるのか、あるいは、とるつもりがあったのか。

この保安官にもご家族があるであろう。友人もいるであろう。大切なものがあるだろう。これらを超えた義憤であるならば、正義に照らして、真の正義がとるはずの手段に訴えるべきであろう。

この海上保安官がいう「このビデオは国民に見せるべき」という主張は、あくまでも個人の信条や思想に基づくものである。国家公務員であるがゆえに知り得たビデオの内容、これを個人の主張に基づいて公開してしまうこと、かの田母神氏はどう捉えたであろうか。

現段階で、この海上保安官が任意取調べで発したとされる「職を追われることに涙した」や「同僚に迷惑をかけることになって申し訳ない」ということからは、義憤たる覚悟はうかがえない。今後もこの保安官からの言葉が報道されるはずであるが、この海上保安官自身が流出行為の前に考えたことと、流出後に後付けで考えたこと、我々はこの違いを見分け、聞き分けなければならない。

民主主義とはもどかしいものである。何によって最大幸福となるかを選ぶのが民主主義である。議論に時間がかかる上に、様々な立場や考え方からの意見が集約され、黒でもなく、白でもなく、何とも言えない色に仕上がるのが民主主義である。そのような国に生まれ、多様性を尊重しながら生きていくこと、この重要性をおざなりにしながら、中国の一党独裁を否定し、中国の取る行動を批判するのは、あまりにも偏狭なものの見方と思われる。

我々は、民主主義のの国に生まれたのである。言い換えれば、多様性を一つにまとめ上げていく国に生まれたのである。そして、自由によりもたらされる果実だけでなく、自由により果たさなければいけない責任も負わないといけないことを肝に銘じるべきなのである。

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