小さなウソから始める中国の戦術
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つき続けたウソが真実と化す日
2010年9月に発生した尖閣諸島での中国船による日本領海侵犯事件後、両国は戦略的互恵関係の構築に向けて関係改善を模索している。そんな表向きの言葉とは裏腹に、中国は漁業監視船を沖縄県・尖閣諸島との接続水域に派遣している。領海侵犯を阻止するべく日本の海上保安庁巡視船と海域の境界をせめぎ合う航行は、更なる関係悪化のランデブーのようにも見える。
このような中国の言葉と行動の食い違い、そこには中国の次の一手が垣間見える。
中国が尖閣諸島を自国の領土と主張し始めたのが1970年代、そして、2010年9月の中国船の領海侵犯事件を契機に、言うだけでなく、行動に打って出るようになったその意図は、既成事実を作るためである。一度振り上げた大国のこぶしは小国日本の前で下ろすべからず、これが中国の真意である。
さて、そのような中国の真意に従って、既に尖閣諸島沖の日本の接続水域に入ることに何のためらいも見せなくなった中国の漁業監視船であるが、今度は領海線を沿うように航行しながら、尖閣諸島の領海内をうかがっている。海上保安庁の巡視船は漁業監視船の領海侵犯を阻止すべく、日本の領海内から対峙しているが、中国の次の一手が領海侵犯と分かっている中で、日本がどのような対応をとるのか注目される。
ところで、尖閣諸島でこのようなせめぎ合いが連日繰り返されている最中であるが、最近の東アジアにおける最大の関心事は、2010年11月23日の北朝鮮による延坪島(ヨンピョンド)への砲撃である。この砲撃は民間人犠牲者も発生した無差別攻撃であったため、大韓民国のみならず、周辺諸国も武力衝突の緊張感を現実のものと感じている。
このような有事に対する日本の免疫力は、今、著しく低下しており、例えば、尖閣諸島の問題の最中、北方領土へのロシア大統領訪問という有事が同時発生した際に、ロシア駐大使の一時帰国でしか関係国に対抗できない国である。先の尖閣諸島領海侵犯のように単体の有事でもかの有様である。連続する有事には全く対応できないのは言うまでもなく、まさに平和ボケしてしまった国家、国体がここにある。中国が狙う次の一手は、今の日本ではそう遠くない日に繰り出されるであろう。
中国には国家目的があり、国家ビジョンがある。従って、国としての指針や行動には、きちんとしたスジが通っているのである。尖閣諸島を中国の領土とするために、まず、小さなウソで穴を開け、その穴を大きくしていく。ウソから始まり、徐々に行動に切り替え、既成事実を積み上げ、武力侵攻や有事衝突で陥落させるという一連のプロセス、これを針で開けた小さな穴から始めているのである。1970年代に構築された尖閣諸島陥落ミッションは、国際社会の情勢を見極め、加速させたり減速させたりしながら、世紀を超えて遂行されているのである。
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